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多種多様なシンガー・ソングライターたちが活躍する現在において、ここまでオーセンティックにフォーク・ミュージック・スタイルの歌を聴かせてくれ るアーティストは少ないのではないだろうか。エリオット・スミスを思わせるその狂おしいまでのウィスパー・ヴォイス、初期ボブ・ディランのようなネイ キッドで飾らないアコースティック・ギターの音色、ジョン・プライン、タウンズ・ヴァン・ザントからの影響を感じさせるカントリー・タッチの楽曲、自宅で 録音されたプライヴェートな作風、社会と自身との距離から生まれる内省的な歌詞......それはまさに秘宝と呼ぶにふさわしい。これまで人知れず歌 を作り続けてきたこのホット・レフト・ポールに今こそ注目を! 1992年、リーズから10マイルほど離れたウエストヨークシャーにある炭鉱の町、キャッスルフォード出身。13~14歳くらいのころクリスマス・プレゼン トとして手にした安いエレキ・ギターが最初の1本。16歳の時にアコギを手に入れてそこから本格的に弾き始め、歌い出したという。リヴァプールの 大学に通ったものの2年で退学。その後、現在暮らすスキップトンに落ち着き、ここで家族と共に静かに暮らす中でオリジナルの曲を作り続けている。 2018年以降、猛烈な勢いで曲を作りアルバムとしてインターネット上で発表。BBCラジオでオンエアされることもしばしばだったという。その頃の初 期作品を集めたアルバムとして『If I Fell A Bird Would Bear My Wiight』が2020年にリリースされている。他にも現在までに多数のアルバムはネ ット上で公開されているが、「1年に1枚のアルバムを出すというのは自分にはスローペース」とのこと。作り続けるエネルギーが一切衰えない創作熱 には驚かされる。一方で、ライヴは過去に一度もしたことがないというホット・レフト・ポール。本作はひたすらハイペースで作品を発表し続ける彼が 、いつものように自宅で作業をして完成させた最新作だ。
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